手本との向き合い方

文字学習の基本は手本の模写ですから、スタートは皆さん同じです。

あとは学習年月しだいと思われがちですが、それ以上に大切なのは向き合い方だと思います。

 

要は、手本を真似て覚えれば良いだけのことなのですが、手本頼りになってしまっている人は、手本の文字を追いかけているだけで身に付かない場合が多いのです。手本が変われば多少形が変わります。そのたびに影響され、その通りに書こうとするばかりでは、ポイントが見出せませんし、自信が持てないのは無理もありません。

 

長く取り組んでいるのにあまり上達しない方の文字を見ると、すべての文字造形が中途半端であることが分かります。つまり、安定した的確な文字が無いわけです。常用漢字約2000文字、平仮名48文字で、数は無限ではなく限りがありますから、その中で「これは自信がある」という文字をどんどん増やしていけばいずれ完了するのですが、字形を曖昧に捉えていると一進一退の繰り返しになってしまいます。

 

プロの場合は、人に教えるという経験および責任により、気持ちの入れ方が違いますし、同じ文字・同じ箇所を何度も指導することでより強く記憶できるという面もあります。

よって一般の学習者が短期で身に付けるとなるとプロに匹敵する取り組み方が必要なのです。

 

率直に言って年齢を重ねると集中力・記憶力・運動能力は低下していきますので、顕著な進歩は容易ではないと言わざるを得ません。しかし、一度身に付けてしまえばすぐには衰えません。

 

現実、手本に使われる文字は毎回新しいわけではなく、大半が何度も出てきていますから、その都度確実に習得することが大切です。自信のある文字ができれば、あとは苦手な文字に集中するだけで済むので、取り組みが楽になります。

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